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二年目を迎えたヤマモモに実が付いた。

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 雌雄が接ぎ木してあるせいか、数珠なりに実がついてしまったので断腸の思いで間引きをする。たかが樹の実とはいえ、そこに息づくものを成長の連なりから断ち切ってゆくのは気がひける。

 間引く。殺す。おもえば、自分はあまりにも『殺さない生活』をしている気がする。生きた魚を捌くことすらないんだもの。社会の中で人の糧となるものの多くは『殺す』というプロセスを経て供給されるのに、そのプロセスに関わること無く『殺された』ものだけを享受する都合の良い人生。忘れてはいけないものを改めて実感した。


 ひと枝ひと枝から丁寧に実を摘み取り、半分以上を落とした所で両親と妹が帰ってきた。介護施設に預けている母方の祖母の様子を見に行ってきたのだという。問いかけるまでもなくその話を切り出されたのだけれど、曰く、しきりに「死んじゃう。死んじゃう。」とクチにしているとのこと。いささか狂人の体だという。母など、見るに耐えなかったに違いない。


 当り前だけれど人は殺すとき、その行為について、死について、何も考えないようにする。けれども自らの死を間近に悟った時は、どれだけ眼を背けようとしてもそれは叶わない。実際に長くはない人間が顔面蒼白で恐怖を吐露するのだから、これほどいたたまれないものはなく、思いは伝播する。心が深淵に向かう。死について考えてしまう。


 久しぶりに四人で夕食を囲んだのに、終始微妙な空気だった。

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