『ガラスの花と壊す世界』と『傷物語~鉄血篇~』観てきた。 |
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新春一本目&二本目。WEBで、ガラスの花の評判が今ひとつ良くないのを目にしていたので、表題の順番で視聴。(ネタバレ含みます。)
『ガラスの花と壊す世界』
概ね前評判通り。まず、話を構成する要素に目新しさがない。仮想世界で人工の人格を持った3人の少女のインターフェイスが、自我の意識や存在意義について思い悩む。で、うち一人が最後に消滅する。その最後に至るまでの過程で仲良くなったり葛藤したりする描写が描かれる・・・のですが、60分という尺のせいか、とにかく駆け足で掘り下げがなされないので、感情移入や同調といった心理が湧いてこないのです。まるで、絵付きのプロットを見せられている気分。『主人公orヒロインが死ぬこと=感動』みたいな図式で成り立っているケータイ小説のオタク向けアレンジ版を見せられた気分でした。
映像的にも目新しい要素はなく、ただただカントクデザインの可愛らしいキャラクター達がキャッキャ・ウフフします。上映開始直後から世界観についての説明がテロップに丸投げ。三人が親密になるシーンは短いカットの巻きで演出。複雑な世界設定をとにかくひたすらセリフに乗せて説明しようとする・・・こういうところをしっかりしないから観客が惹き込まれないんだと思う・・・・
原作未読なのでシナリオがどのくらい遵守されているのかは不明ですが、これが120分だったらまた何か変わってきたかもしれません。結局、この60分という制約が、シナリオに対しても作られた映像に対しても悪く働いているような気がしました。
『傷物語~鉄血篇~』
あらゆる意味で『ガラスの~』とは対象的な映画でした。見せつけられるのは、貪欲で野獣のように挑戦的な映像表現。とにかく「セリフで語らず絵で語る」のです・・・表情で、動きで、そしてあのどこまでも無機質な舞台世界で。TVシリーズで培った表現の、さらなるリファイン&シャープ化。サブリミナル活字画面も極力抑えられていて、非常に観やすかったのも好印象でした。これはいいオナニー。本当に、作り手の迸るオナニー・エネルギーが隅々まで満ち溢れていて、こっちも気持ちよくなっちゃう。
前半の見どころ、アララギさんとバサ姉の掛けあい劇が、また絶妙でたまりません。もうね、あんなご褒美いっぱい夢いっぱいな出会い方をして瞬時にバサ姉に恋に落ちなかったアララギさんは、逆に男じゃないです。
転じて、中盤。キスショット(ryさんとの出会いのシーン。手足を奪われ、イモムシのようにのたうち泣き叫ぶ姿に赤ん坊の声を被せてくるあたりで、いい意味でいっちゃってると思いました。(あのシーンで、一瞬ナムコのスプラッターハウスのことを思い出してしまったのはナイショ)。一度は逃げたアララギさんがそれでも『自己犠牲』を選び戻ってきたことに、正しいと思うことに准じること、その意識に抗えない人間の性、といった哲学的な命題をつきつけられた気がします。
内容的には完全に「シリーズ初見お断り」なのですが、映画を3年待っていたファンには、待たされた甲斐がある一本だと思います・・・熱血編、夏の予定ですけど・・・・大丈夫ですよね?前売りの払い戻しとかイヤですよ?
蛇足:ユーフォニアムの前売り買ったら、クリアファイルの絵が黄前・高坂ペアだった。ポニテ先輩が良かったのに。
投稿者 sbifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)