ここ食いつきます。
江戸時代から「彩度と明度は二次の花」と申しますが(申しませんが)、二次で聖地巡礼ビジネスをもくろむのであれば色調はある程度現実に合わせるべきだと思うんです。脳内補完にも限度があるし、訪れる当日の天気はコントロールできないし。
ネオ・ヴェネツィアなら行きようがないからいいですけど(厳密には異世界なので)、現実に行きやすいところを舞台にする場合は特に。
「アニメの制服みたいな色の服を採用している学校は、現実にはない」みたいな話が以前あったと思います。コスプレ界隈だとそれを再現しようとして誰も彼も真っ白けっけにブッ飛ばしつつバッキバキにしたりしますけど、あれはもはや空中戦ですよね。メタの逆張り、アンチメタメタ。
その成れの果てが絵葉書(フジヤマ、サクラ、シンカンセン)。桜や紅葉の絵葉書なんてすごいじゃないすか。真っピンク、真っ赤っか、真っつぁお。あれもガイジンはがっかりすると思う。ニホンに来ても、あんな絵、ないよ。ないからね。トーンカーブだから。
その点では銀塩写真のフィルム会社の人たちはすごかった。事実の記録であることを超えて、彩りの印象を写し獲るために、薬を混ぜまくって物凄い色を出す。ポジフィルムとして、一応は化学反応の現物として出す。
観る方は観る方で透かしてルーペで覗いてニヤニヤふふっとする。ザ・没入。
それにしても、そのサンマルコ広場の旧行政館、そこに写ってる人が一斉にプラッチックの椅子をズゴゴゴゴと引きずって陽を避けるかと思うと、音を想像しただけでそこそこ凹みます。周りの壁は石だろうし響くよ絶対。しょうがないんですけども。そんなもんよね多分。アイドルだってオナラくらいする。
ってあの儀式は現実でも普通に行われていることなんでしょうか。はとバス的に先導されて、号令の下、儀礼的にぞろぞろ這いずり廻るんだったらいやだなあ。